若い頃は、楽しい気楽な独身生活を送っていても、人生100年時代になると、老後には、思いもしなかった問題が現れます。だから、早くから自分のライフプランを立てておくと安心。私もおおまかですが、プランをたてています。
賃貸暮らしの不安
老後も賃料を支払い続けられるのか? 老後に安い賃貸住宅に引っ越すことができるのか?
会社勤めを終えて、将来、給料が入らなくなると、今住んでいる賃貸住宅の賃料が支払えなくなるのではないか。仮に、安い賃貸住宅に引っ越そうと思っても、60歳以上の独身者が借りられる物件が少ないのではないか。
マイホームがない方が直面する、賃貸暮らしに関する悩み相談事例です。
FPジャーナルの雑誌では、経済的に可能であれば、3000万円の新築マンションを50歳から20年ローン(毎月返済額約9万円、金利0.74%)で購入する方向でアドバイスしていました。そして、65歳以降も働くことが前提です。
私なら、マイホーム購入は勧めません。本件の女性は、50歳(年収600万円)で預貯金は1700万円しかない方なので、尚更勧めません。
1 20代、30代なら、給料で支払っていける見通しが立つが、50代になってマイホームのローンを組むのは、支払えなくなる危険が大きいこと。
ゆったりして過ごす時期なのに、ローン返済に追われる老後は、ストレスが溜まって、精神的に良くありません。
2 仮に、ローンではなく、キャッシュで3000万円のマンションを購入するのは、3000万円あれば、運用してお金がお金を生むことも可能であるが、マイホームを購入するとなると、3000万円の現金価値を一回で失ってしまう。また、固定資産税やマンションの管理費用、補修費用などを積み立てる必要もあり、出費もかさむこと。
3000万円以上の高値で売れる物件ならともかく、通常、マンションは半値以下の価値にしかなりません。だから、現金を持っておく方が強みです。
3 ローン返済計画を65歳以降も働くことを前提にすると、体調不良や社会情勢の変化で働けるかどうか未知数であること。
以上が大きな理由です。
独身を武器に備える!
私は、やはり、独身を武器にして備えることが一番だと思います。
「独身を武器にする」とは?
1まず貯蓄額をなるだけ増やす。
自由な独り身、配偶者や子供にかかる費用はいっさいありません。だから、収入から自分のために蓄えることは簡単なことです。
本事例の女性の場合、預貯金が1700万円あり、生活防衛資金が確保されているので、毎月の給与から積立投資を行なっていくことをまず勧めます。
例えば、この女性の例でみますと、手取り600万円なので、生活費を家賃込みで月30万円に抑えるだけで、年額360万円で、240万円もの投資と貯蓄に回せるお金を捻出することができます。月20万円に抑えれば、年額240万円で、年間360万円も投資と貯蓄に回せます。
外食もしたいし、旅行にも行きたい。全部投資に回すのは、不安なら、仮に月額5万円を12か月積み立てすれば年60万円。余裕資金240万円もあれば、趣味の旅行や外食をしながらでも無理なく積み立てられる額です。
積立額毎月5万円として、投資信託では4%ラインが平均ですが、最低の3%として50歳から10年間積立て運用した場合をシミュレーションしてみましょう。
下のシミュレーション表は、金融庁のホームページにありますので、試しにやってみてください。
月額5万円の積み立てで、3%で運用すると、福利が効いて10年後は6,987,071円になります。普通に貯蓄すれば、10年で600万円ですが、運用すれば100万円近くの差がつくのです。
(金融庁ホームページ https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/moneyplan_sim/index.html)
積立額が上がれば、もっと効果が大きくなります。50歳からでも遅くはありません。まず、家計を見直し、無駄を見直すことをお勧めします。
私が、この女性にアドバイスするなら、現在1700万円の貯蓄額がありますので、50歳から10年で貯蓄額が最低でも3000万円になるように貯蓄をすること。そして、残りは積み立て投資で運用すること。仮に、月額5万円を10年間3%で運用したら約700万円。そこに、退職金が1000万円なら、最低でも4700万円の資産を築けることになります。
2独身で身軽なので、安い賃貸物件に引っ越す
老後に備えて安い賃貸物件に引っ越しておくこともその一つです。そうすれば、老後の余裕資金が生まれます。上を見ればきりがありません。住まいは、住めば都。住み方次第で優雅に住むことができるものです。
高齢者に賃貸を渋る理由
60歳以降、年齢が上がるほどに賃貸物件の貸し渋りに合うことを懸念している方は多くいると思います。実際、審査に通らなかったという例があるからです。
では、高齢者に賃貸を渋る理由からまず考えてみましょう。
1 年金しか収入がない場合
家賃が支払ってもらえるか不安だからです。
2 保証人がいない場合
1と同様、家賃が支払ってもらえない場合の保証がない不安です。
3 一人暮らしで同居人がいない、近くに親族がいない場合。
老人になると、病気になりがちなので、孤独死などされると、死体の発見が遅れて腐乱すれば異臭が発生し、遺品の処理なども面倒なことになります。しかも人が死んだとわかれば、その部屋に入居したがる者は少なくなってしまうからです。
以上3つが大きな理由です。
このように、貸す側にも不利になりたくない心情は理解はできます。
高齢者でも賃貸できる方法
上記にある高齢者に賃貸を渋る理由から見えて来たことを、逆に、貸し渋る理由をなくしていけば借りられることにつながるのではないかと思います。
1 家賃が支払える状況をきちんと証明できること。例えば、家賃5万円の年額60万円。その10年分でも600万円。預貯金がそれ以上あることを通帳のコピーを示して安心してもらう。だから、まず早くから預貯金を増やしておくことです。
2 保証人なしOKの物件なら、保証会社の審査が通れば借りられます。この場合も、1と同様、家賃が支払える能力を通帳のコピーなどで示し、証明できる必要があります。また、NPO法人など、民間には保証人委託会社があり、保証人になってくれるサービスもあります。
3 一人暮らしの高齢者が賃貸物件を借りられないことに早くから目をつけ、高齢者が借りられるように様々な態様の見守りサービスを業としている民間会社やNPO法人もあり、それを利用することもできます。
また、弁護士や司法書士、NPO、信託銀行などが提供している死後事務を依頼するサービスもあります。
これからの高齢化社会
これからは、高齢者がますます増えていくし、単に独身者だけでなく、既婚者でも子供と一緒に住めなかったり、子供がいなかったり、配偶者が他界してしまったり、高齢者がひとり暮らしというのは、増加していくのが現実です。そういう中で、高齢者に賃貸させないということが非現実になってくる時代です。
高齢者が増加し、2025年には約3人に1人が高齢者。だから、高齢者に貸さないと空室が埋まらないという現実に遭遇することも予想され、貸主としては、高齢者に貸さないとやっていけない時代になると思います。
また、現在でも高齢者のニーズに応じた賃貸物件が多く存在します。これからますます、そういう物件は、増えて来るものと予想されます。
だから、安易に不動産を購入せずに、早くから家計を見直し、投資でお金を増やし、キャッシュポジションを高め、維持していくこと。そうすれば、数多くあるサービスの中から選択できる種類が増えます。
そして、何より、一番大切なのは、健康です! 心身ともに健康ならお金はかからない、それこそが最大の価値です。
第2の人生は、ローンのために身を擦り切らして働くのではなく、働いて稼ぐのが好きであれば、まさに人生100年時代を生涯現役で働き続けても良いのです。
そういう働き方なら、一層楽しく豊かな人生を送れるかもしれません。
そのためにも、自分はどう豊かに生きていくか。
人生設計は大切ですね。
コメント
おはようございます。
今朝の4時50分。九州旅行の最終日を公開した所です。
旅行中にこの投稿をみて、コメントをしようとしたのですが、なかなか考えがまとまらず今となってしまいました。
この方は手取りで600万円とすると、扶養控除等は少ないと思うので収入は800万円以上かな?。
すごいですね。
この投稿をみてなぜか、FP訓練校の講師と問いが頭に浮かびました。
その問いとは(実際に講師が相談されたとのこと)
” 70代の数年前夫が亡くなり、子供は既に独立している。
専業主婦だったこの方は、夫が稼いだお金は無駄にできないと節約。
そのお陰て、相続後の今は持ち家と十分なお金があり、このお金の使い方をどうするか ”。
他の訓練生はお金の運用方法がメインで、私は ”葬式代と若干お金を残して、後は自分の為に使ったら” であった。
私より1つ年上の女性講師も、私と同じことを言ったとの事。
尚、このアドバイスを受けた女性は ” 自分の為にお金を使っていいんだ ” としみじみ言ったとのことです。
なんかとりとめもないコメントとなってしましました。
書いている最中に今度は ” お金は手段であって目的ではない ” の言葉が頭に。
おはようございます。
早朝のご投稿ありがとうございます! 早く起きられて、時間を大切にしておられるのですね。
短い人生、私も早起きして時間を大切にしています。
『自分の為にお金を使っていいんだ!』
私も、黄金期さんのように、お金を自分のために使って、豊かに生きたいと思っています。
最近の世の中未来が不透明なところが、不安になるところ、そこには、マスコミなどに
翻弄されず、いかに、『賢く』がプラスされると個人的に思っています。
コメントありがとうございました!