いろんな生活の場面で、誰かに相談することがあると思いますが、相談しなければよかった……って、イヤな気持ちになったことはありませんか?
また、ネットなどで飛び交っている各種の相談コーナーの中に、あまり、良い回答になっていないなと思うことも多々あります。
ただマウントを取るだけの回答
「勉強不足ですね」とか、「質問力が足りませんね」とか、客観的に見て、相談者の相談に、全然親身になっていないなーと思う回答をたまに目にすることがあります。
これは、明らかに、マウントを取るだけの回答ですね。
勉強不足だからこそ、詳しい方に相談しているのです。それなのに、そう言われてしまうと、元も子もないですね。
勉強不足だから、うまい質問もできない場合も多いです。丸投げの質問ではなく、一生懸命に考えた末の質問を、「質問力が足りませんね」と言われたら、はい、相談終了となってしまい、相談しなければよかった……と思ってしまいます。
たとえ、丸投げの場合であっても、相談した本人は気づいていないかもしれません。だから、「こうこうこういう形で質問すると答えやすいですよー」と優しく教えてあげる方が親切だと思います。
説教のような回答
例えば、相談者が答えて欲しいことに答えずに、世間一般的な話や、そもそも論、概念的で抽象的な話に始終するなどして、苦言を呈する場合。
例えば、〇〇を調べましたか?とか、ちゃんと〇〇に載っていますよとか、どちらかというと、非難や批判されている気持ちになる回答です。
このような回答も、相談者が弱いことに乗じてマウントをとっている回答だと思います。
丸投げな回答
「答えはあなたの中にあります」とか、「決めるのはあなたです」とか、結局、質問に答えるどころか、相談者に丸投げしている回答です。
回答がみつからないから、決められないから相談しているのに、そのような言い方はまるで、丸投げのように聞こえます。
そのような回答の仕方は、責任を取らされるのが怖くて逃げているような気がします。せめて、事例を示したり、ある程度回答者なりの意見を述べてほしいと思いますね。
傾聴する。
よく、相談者の相談内容を傾聴することが大切だと言われています。相談者の話をじっくりと聞いてあげるということです。
私も、公務員時代、上司も部下の話に傾聴しなければならないと言われていました。
でも、傾聴は簡単なようで、難しいです。
私も、わかっていながら、部下にすぐに、解決策を回答していたような気がします。私の上司もそうでした。
それは、人は、ずっと、相手の話を聞くよりも、早く回答したいという方に働きやすいからだと言われています。
傾聴は、相談者の悩みをまず、じっくり聞いてあげるということ。回答が頭に浮かんでも、相槌を打ったりし、相談者が納得がいくまで話を聞いてあげるということなのです。
そうしないと、相談者は心ゆくまで安心して相談できません。
目も合わせずに、携帯をいじりながら黙って話を聞くことはもってのほかです。
文章での相談の場合も、すぐに頭ごなしに回答するのではなく、何回かのやりとりで、相談者の背景が見えてくるのだと思います。
相手の立場になって考える。
傾聴ができたら、相手の悩んでいることがまずわかります。
そして、悩んでいることがわかったら、次に、良い回答をするには、まず、相手の立場になって考えるということだと思います。
相談者の立場になって考えれば、自然と、相談者が抱えている問題にアクセスでき、その解決の糸口を見つけてあげることができると思うのです。
人それぞれ、悩んでいる背景が異なるわけですから、まず、相手の立場になること。相手の立場になれば、相談者が自力では気づかない解決方法を見つけてあげることができると思います。
回答者が、自分の立場で「こうしたほうがいい」と言ったことは、あなたとは違うと思ってしまいませんか?
「あなたの立場だったら、自分はこうする〜」という相談者の立場にたった上での回答なら心に届くのではないかと思います。
回答者の資質が試される。
最後に、回答する際には、回答者の言葉が大切になってきます。
相談者にどう伝えるか。慎重に言葉を選ばなければならないと思っています。
いくら、傾聴して、相手の立場になって回答しても、その言葉に棘があるような、優しさがなかったりすると、相談者を傷つけることにもなり、相談しなければよかったとなってしまいます。
だから、回答は、回答者の資質が試されるように思います。
相手のためを思って、真心で接すれば必ず相手に通じる。最後にはわかってくれる。相手に感謝されるはずだというのは、理想論であり、甘い思い込みだ
これは、下園壮太著の「相談しがいのある人になる〜1時間で相手を勇気づける方法」から引用です。
この本を読んで、相談にのり、回答することは、簡単なようで奥が深いものだと、とても勉強になりました。振り返ってみて、自分は相談しがいのある人であっただろうかと反省もしました。
これから、AFPとして相談業務をするだけではなく、いろんな場面で相談される際の、指針になった、良い本です。
最後は、あなたに相談して良かったって喜ばれる人間になりたいですね。
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