公務員現役時代、管理職をしていた当時、部下から受けた不快な行動。
あれは、モラハラだったんだ!と最近になって知りました。
モラルハラスメント
セクハラ、パワハラ……職場に蔓延(はびこ)る問題。これらハラスメントの防止は、今では法律として定められ、事業主には、雇用管理上の措置としてその防止を義務づけ、徹底されるようになりました。
セクハラ、パワハラがあっても声に出せなかった頃に比べ、現在は、労働者は、良好な職場で安全に働く権利が保護されるいい時代です。
でも、他に「モラルハラスメント」というものがあるのですが、その認知度はセクハラ、パワハラに比較して低いのではないでしょうか。
なぜなら、私も、その言葉に触れたことはありましたが、公務員として働いていた当時、まさか、部下から受けていた不快な行動が、「モラハラ」だったとは! 2020年3月に早期退職して1年たった今になって、気づいたのですから^^;
それを気づくきっかけとなったのが、著書「モラハラ環境を生きた人たち」です。
セクハラ、パワハラと違って、モラハラは、日常生活の中に埋もれていて、わかりにくく、被害者も、被害に遭っていることが気づかないらしいのです。
でも、なんとなく、感じる不快な違和感。それが、ジワジワと継続的に行われて、精神的な暴力へと発展して心の傷となる。恐ろしいですね。
モラハラも、セクハラやパワハラと同様に防止して、弱者を守る必要があると思うのですが、モラハラは見過ごされているのが現実だと思います。
あのとき、部下にされていた不快な行動。ああ、あれが、モラハラだったんだ。
ある本と出会って、それがわかったとき、霧に覆われていた心がスッキリ晴れたような、部下から受けた傷を癒すことができました。
部下から受けたモラハラ
私が受けたのは、「静かなモラルハラスメント」でした。
激しく罵倒という明らかにわかるものとは違い、モラハラをされている自覚がなく、じわりじわりと気づかないままに相手にコントロールされ、心に深い傷をおびていくものとあります。
私は、ある2人の女性の部下から、私の仕草やちょっとした言動を失笑されたり、何も間違ったことをしたり言ったりしていないのに、顔をしかめられたり、電話で受け答えをしている側で、失笑されました。
ほとんど毎日というくらいです。
そういう仕草で人は徐々に自信をなくしていくとあるように、上司としての自信がなくなっていきました。
朝のミーティングで何か提案しても返事もしない。大事なことは上司である私ではなく飛び越えてその上の上司に報告する。上司である自分だけ除け者にし、勝手に係の重要事項を決めて行動する。仕事を気を遣ってお願いしても従わない。それどころか、私が何かしようものなら、直属の上司に私がダメな上司だから指導してくれと密告する。
今冷静になって思い出すと、おかしな行動ですが、他の部下職員もそのモラハラ部下に異を唱えず、当たり前のように全てまかり通っていました。
モラハラのダメージ
静かなモラルハラスメントは、些細な内容に見え、他者に説明しても、モラハラのことをよく知らない人だと「あなたの気にしすぎ」と言われてしまうのがオチだそうです。
私も誰かに相談したくても、どう相談していいのか難しいと思っていました。
また、やっかいなのは、部下だということでした。たとえいじめを受けていても私が上司で権力を持っているため、逆に、ありもしないことで部下を陥れるパワハラと訴えられる可能性もあるということです。
部下の密告で私に理由も聞かず忠告してくる私の直属の上司では、相談しても無理だと思い、諦めていました。
この静かなモラルハラスメントこそ、心のダメージが大きく、人格が破壊され、被害が深刻化するものだと知りました。
この部下とは早期退職するまでの2年近く一緒に仕事をしていましたが、明るい性格の私がまるで性格が変わったように、無口で黙々と仕事をする毎日でした。部下たちと意思疎通がうまくいかないせいで、管理職としての組織運営がうまくできず、したこともないミスも多くなって、ますます自信を失っていく感じでした。
自分の体験から、モラハラも、職場環境を悪化させ仕事の能率を下げるので、セクハラやパワハラと同様に、雇用管理上の措置として、事業主にその防止を義務づけるような社会になってもらいたいとつくづく思います。
解決方法
心の安全確保のためには、物理的に距離を置くことが一番だということ。
職場なら配置換えや退職とあります。
私の場合は、早期退職を決断することができました。
以前から早期退職を考えていたのですが、なかなか、その一歩が踏み出せないでいました。でも、このモラハラ部下のおかげで、逆に、潔く早期退職を決断することができました。
今思えば、早期退職を決断するためのいい材料になってくれたと感謝しています。
もし、居心地がいい職場だったら、定年まで働いていたかもしれないのですから。
災いを転じて福となすです。
早期退職を決めてからのあの数か月間は、モラハラ部下に何をされても強い自分がいました。退職日までの1日、1日が楽しかったですね。
退職の日、私が職場のみんなに最後の挨拶をする際に見た、笑顔を作れずにひきつって歪んだあのモラハラ部下の顔を今でもはっきりと覚えています(笑)
でも、私のようにうまく退職も配置換えも難しくて、どうしようもない方は、1人で辛さを抱え込んで心の病になる前に、信頼できる人に是非相談してもらいたいです。
私は、そもそも、モラハラと知らなかったので、知っていたら、職場で信頼できる人を探し出して、相談していたかもしれません。
相談する際には、最近はモラハラに関する本がたくさん市販されているので、本に列挙されているモラハラ行為の中から、自分がされているモラハラ行為に該当する箇所を示しながら、相談するといいと思います。
そうすれば、より明確で、具体的なので、「気のせいだよ」という答えは絶対に返ってこないと思います。
そして、味方をたくさんつけて、モラハラ加害者と戦ってください。
心のケア
モラハラを受けた被害者は、その苦しみと心の傷に気づいた時、加害者に対して怒りが湧いてくるとあります。
私も、この本を読むまでは、退職後も、酷い態度を取ったあの部下のことを突如として思い出し、そのたびに怒りが止まりませんでした。
思い通りに、退職できたのはそのおかげだと言っても、やはり心の奥底では、酷い仕打ちへの怒りの負のエネルギーが顔を出しては消えを繰り返していました。そして、傷口が痛むように心が痛むのです。
どうして、部下から酷い行為をされたのだろうかと原因を考え、自分がダメな人間だったからターゲットになったのだろうかと、加害者から離れても一時期は自己嫌悪に陥ることもありました。
加害者から離れても、傷ついた心はそうたやすく癒されるものではないのですね。
本は一番のカウンセラー
楽しいこと、豊かな人生を送る日々、やっと、1年たって、少しずつ怒りが癒されていく中、あの酷い部下の行動はいったいなんだったのだろうかと、客観的に知りたくなりました。
知ればもっと前進するのではないかと、心理分析など、いろいろネットサーフィンしていたところ、著書「モラハラ環境を生きた人たち」に出会ったのです。
モラハラ加害者は劣等感の塊
だから、「モラハラ加害者は、ターゲットに選ぶのは、優れた、自分をしっかり持った魅力的な人。才能があり、輝いているから惹かれるのでしょう」という本著の一文に出会いました。
この一文に、とても救われました。
失っていた過去の自尊心を取り戻すことができたのです。
モラハラ加害者は、「自分をしっかり持った、生き生きとした魅力的な人」が自分の一言や態度で左右され、言いなりになることで優越感を感じているんだということを知り、もう怒りは湧いてくることはありません。
いい本に出会えて良かったとしみじみ思う今日この頃。同じように悩んでいる方に読んでもらえたらと、ブログで紹介しました。
この本は、職場だけじゃなく、夫婦、親子などのモラハラについても触れています。モラハラはどこにでもあるのですね。
本は、知識を得たり、思考したりだけじゃなく、心の悩みを整理したり、癒してくれる……
一番のカウンセラーだと私は思います。
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