老後の備え  

豊かな人生をめざして

はじめに

 早期退職して、新たな生活をスタートし、毎月の生活費はだいたい10万円程度で、年間120万円。それは、事前にシミュレーションしていたとおりの順調な滑り出しです。

 食費は、料理が好きであまり外食をしないせいか、あまりかからないので、余裕のある生活をしています。

 自炊は、健康にもいいし、食べたいときに自分で美味しいものを作れるのでお勧めです。

低金利時代

 毎月10万円で生活できるとはいえ、このまま預貯金を取り崩すだけの生活でいいとはもちろん思っていません。

 旅行のための積立金は別にとっておいてあるものの、コロナが終息すれば、お金はたくさんあればあるほど、行きたいところに気兼ねなく旅行できるので、たくさんあれば尚嬉しいのは当然です。

 それに、低金利のため、お金の価値がますます下がっていくこのご時勢。銀行に預けていても利息でお金は増えないので、いくら老後のゆとりある蓄えがあっても将来どうなるのか不安です。

 そこで、早期退職を考え始めた2018年ころから、平行してお金を増やす投資について勉強し始めていました。

 私が大学を卒業して公務員として就職した1980年代は、日本経済は右肩上がりでした。

 まだ民営化していない郵便局の定期貯金の金利は年7%〜8%の高金利。1000万円預ければ年70万円〜80万円の不労所得が得られた時代です。それ以前は10%の時代もあったとか。

 信じられません!

 あの頃、お金を持っている方は、郵便局に預ければ、何もせずに福利で倍にすることができたわけです。

 私もその恩恵を少し受け、元本を保証された貯蓄という安心・安全な投資で、お金がお金を生み、蓄えることができました。

 大卒の初任給が手取りで12万円程度という少なさでしたが、少ない給料の半分を貯蓄に回していました。それができたのは、実家に暮らしていたので、無事に早期退職できたのも、両親のおかげで、コツコツと貯蓄することができたからです。

 ところが、バブルが弾けてから預金金利は下がる一方。とうとう1パーセントを割ってしまい、現在は、日銀による0金利政策のせいで、低金利時代がずっと続いています。

 1000万円預けても、1000円しか生みません。そのまま置いておいてもお金に働いてもらうことはできない侘しい時代です。

 あのバブル期を懐かしんでも、もうあの時代には戻る可能性はないに等しいと思います。

 だから、乗り切る方法を考えなければならないのです。

 この低金利時代にどうやって、お金に働いてもらうか。

 自分の身は自分で守る。手をこまねいて見ているだけで、ただ時代に流されていてはだめなのです。

株式投資信託(インデックス積み立て)

 株投資に興味を持つようになったのは、今から15年以上前のこと。

 当時の株式投資は、優待株で生活を豊かにしようという走りの頃で、投資の勉強のつもりで、小さく始めました。

 選んだのが、全日空株。

 県外に異動になって全日空をよく利用していたこともあり、旅行が好きなので、全日空を応援しながら、株主優待券の旅行割引券で旅行をしたい、というくらいの目的で、全日空の単元株を50万円で購入しました。

 現在の全日空株は、コロナの影響で株価が半分まで下がり、配当金も出ない状況です。でもこの株は、損切りして売ってしまわずに、コロナが終息してまた旅行できるときのためにとっておくつもりです。

 別の会社の株を買った方がいいのか、他に何かいい投資はないか、早期リタイアを目指しながら、投資に関する本を読み漁っていました。

 そこで、出会ったのが、「敗者のゲーム」(チャールズ・エリス著 鹿毛雄二訳 日本経済新聞出版社)という本です。

 ここで紹介されている投資信託は、一発投資ではなく、コツコツと積み立てていくという「インデックス投資信託」というものです。金額も100円から購入できる初心者向けの投資で、これなら自分にでもできると思いました。

 この本を読むまでは、投資信託というと、元本割れの恐れがある怖いもので、騙されて手を出すと財産を失ってしまう危険なものだという認識でいました。でもそれは、知識不足による誤った考えでした。

 勉強しないから、騙されて危ない投資信託に手を出してしまうのであって、正しい知識を持てば、素晴らしい投資方法なのだということを知りました。

 大事なのは、コツコツと積み立てて購入し、長期に運用するということ。そして、自分のリスク許容度の範囲内で投資をするということです。

 だいたい失敗するのは、一度でなけなしの大金を注ぎ込んで購入し、株価が下がって慌てて短期で売ってしまう場合です。

 でも、このインデックス投資信託は、定期的にコツコツ積み立てて長期的に運用していくものです。

 いつ高くなるか、いつ安くなるか、プロでもそれを知るのは難しい。だから、初心者だとなおさらです。それを、一度で買おうとすると、高値掴みをしてしまう恐れがあります。

 そこで、定期積み立ては、価格が低いときには購入量は多くなり、価格が高いときの購入量は少なくなる、いわゆる「ドルコスト平均法」によって、リスクが分散され、一度下がっても長期的にみれば全体としてプラスになるというものです。

 さらに、配当金をもらわずに、当資金として投入すれば、将来、福利がついて倍になるというのです。

 投資の神様と呼ばれている「ウォーレン・バフェット氏」も、このインデックス投資が素晴らしい投資手法だと称賛しています(「ウォール街のランダム・ウォーカー」バートン・マルキール著/日本経済新聞出版社)。

 腑に落ちた私は、さっそくSBIのネット証券会社を通してインデックス投資信託を始めることにしました。

インデックス投資信託の始め方

 私は、SBIネット証券の口座を開設していたので、そこから買付手数料0円、信託手数料が低額の商品を選んで毎月定額で定期自動買付で購入しています。

 ここで注意が必要なのは、インデックス投資信託全てがいいのではなく、特に銀行や証券会社が勧めてくるものの中には高額な手数料の商品があるので、きちんと手数料を把握してから購入しなければいけません。

 買付金額、買付希望日をいくつも選択できます。金額や、買付希望日は取引確定前ならいつでも変更可能です。

 始めた当初は、新興国(1万円分)、日本(1万円分)、外国株(2万円分)、外国債権(1万円分)で、合計5万円分ずつの毎月4回(日付を適当に選択)指定し、購入していました。

 このように分散して投資することで、リスクが分散されるということです。

 現在は、このフォーメーションを、米国(2万円分)、日本(1万円分)、新興国(1万円分)、外国株(1万円分)、外国債権(1万円分)と変更し、合計6万円を月5回に分けて、利息がほとんど0の普通預金口座の預金から積み立てています。だから、銀行預金をネット証券へ預け替えたという感じです。

 定期自動買付のいいところは、定期的に、自動で買い付けてくれるので、購入を忘れていられるということです。

 もし、値動きを見ながら自分で買うとなると、今買った方がいいのか、株の値動きをいちいちチェックしなければならなくて面倒です。

 自分的には、今が買い時なのか読むのが難しいので、これが好きな人はいいですが、他にやることがあるので、株の値動きに気を取られてノイローゼにならなくて済みました。また、逆に、値動きに気を取られて、いつ買った方がいいのか迷い過ぎて、結局はまだ買えないという状況になっていたかもしれません。

 だから、定期自動買付は、素人の自分にはとても合っている投資手法です。

ポートフォリオ(2021年1月の資産状況)

 2019年10月から積み立てを開始し、積み立てた額は現在76万円。

 現在、利益が1年で約プラス10万円で、投資信託の資産は86万円です。

 銀行預金の金利、たとえば、0.01パーセントとした場合、10万円の利息がつくには、元本いくらが必要だかわかりますか。

 なんと、10億円です!

 恐ろしいですね。

 新型コロナの影響で、2020年3月ころから9月頃までかなり株価が下落しました。利益はもちろんマイナスでした。しかし、インデックス投資の

 「定期積み立て、長期に運用というモットーを忘れなければ、長期的に見れば回復するという教えのもと、全く動じませんでした。

 ここで、動じて損切りで売ってしまったら、福利というインデックス投資の運用効果は全くありません。

 あくまでも、「定期積み立て、長期運用」が大切です。

 実際、アメリカ大統領バイデン氏が選挙で勝利したというニュースが飛び込んで来たあたりから、V字回復し始め、現在はコロナウイルスのワクチンができたという嬉しいニュースもあり、株価は上昇して13パーセントの利益がついているのです。

 この投資方法を信じて、リスク許容度の範囲内で無理をせず、定期積み立てをし、長期運用をしていきたいと思います。

 その運用の経過を、またいずれお知らせできたらと思います。

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