お金の不安は解決し、あとは辞める決断をするだけ。なのに、私には他にも迷う事情がありました。
仕事を最後まで全うするということ。
将来のお金についてはある程度目処が立ち、お金の不安はなくなりましたが、どうしても決断を迷う事情がありました。
それは、60歳定年まで仕事を全うしない自分への罪悪感でした。
スマートに軽やかに転職できる方がいる一方、当時の私は、一つの仕事を全うすることが私なりの美学で、頑なさだったと思います。
今は、イジメにあったら、学校を無理して行かなくてもいい。ブラック企業は辞めていい。といういい時代になりました。
でも、私が学生時代は、義務教育は当然行くのがあたりまえ。仕事も終身雇用の時代に就職した人間であったので、定年まで働くのがあたりまえ。だがら、定年まで働かないことが、仕事を全うせず、逃げているような、後ろめたさがありました。
周囲の目
早期退職して何するの?
暇を持て余すよ。
年金もらえるまで長いけど大丈夫?
私が今まで耳にした早期退職する人に投げかけられた周りからの言葉です。
棘のある悪意に満ちた言葉だなって、いつも思っていました。
早期退職する方への妬みややっかみでしょうか。素直に「良かったね」って、どうして温かく送り出してあげられないのかなあと思っていました。
自分が早期退職する身になり、それらの言葉が、きっと、私にもかけられるわけです。
私は、早期退職した人の体験談をいろいろネットで検索していましが、「辞める」と職場の上司に伝えた後、かなり嫌な思いをした体験談を目にしていたので、周囲の目というのが怖いというのもありました。
大切なのは人生を全うすること
確かに仕事を定年まで全うすることは素晴らしいことです。
でも、それは、人生のほんの一部だということだと気づいたんです。
大切なのは、自分の人生を全うすること。
そして、自分の人生を全うするということは、今日、もし死を迎えるなら、幸せだったと言えるか。後悔のない、いい人生だったと言えるかということだと思いました。
それに気づいたとき、生きがい、やりがいのない仕事を定年60歳までする意義はないと、答えがすっと出たのす。
私は、自分の人生を全うするために、自分のやりたい第2の人生を早く踏み出そう。早期退職の決意が固まりました。
自分の人生を全うするために早期退職する。と、決意が固まった途端、不思議なもので、周囲の目についての迷いは全くなくなりました。
決断したら腹が座る
決断したら腹が座るものですね。
何にも怖いものはないって感じでした。
あれこれ悩んでいた時期は、あーだ、こーだと堂々巡りしたり、同じことを何度も悩んで繰り返していた頃とは大違い。
自分がこれまで悩んで自分なりにいろいろ考えて、出した決断の意思は、それ以降は全く揺るぎませんでした。
本当に腹の底に腑に落ちるとはこういうことを言うのでしょうね。
自分の意思が決まった後はとても清々しかったのを覚えています。
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