私は、iDeCoはやっていません。いろいろ疑問があったからです。
今回は、私が疑問に思っていることをお話ししたいと思います。
税金面で優遇される。
iDeCoのメリットで一番に挙げられるのは、税金面で優遇されるということ。
1 積立中は掛金が全額所得控除となること。
所得税や住民税の課税対象となる所得から、1年分のiDeCoの掛金を差し引く(控除する)ことで、所得税や住民税の負担が減るということ。
2 また、通常の投資で運用で得た利益には通常20.315%の税金が課されますが、iDeCoでは非課税。
通常の運用でも、申告すれば、20.315%のうち、10%が控除されるので、実質10.315%となりますが、それよりも、非課税のiDeCoがお得なのは確かです。
3 一括で受け取る場合は、退職所得と同じ控除額、年金形式で受け取る場合は、公的年金と同じ控除額となること。
上記1、2については、まあ、少しはお得かな〜とは思いましたが、実際、疑問に思ったのは3です。
たとえば、今60歳でiDeCoに30年加入した方が1,500万円積み立て、運用益が500万円になり、合計2,000万円を受け取る例を考えてみます。
一度にまとめて受け取る場合は、1,500万円(800万円+70万円×(30年-20年)=1,500万円)までは非課税となります。つまり残額500万円を基準に税金が定められることになります。500万円に対する税金は、所得税の基準でいうと、✖️20.315%で、1,015,750円です。
そこで、疑問なのは、2000万円の中に、元本も入っているはずですね。税金計算に、その元本も運用益も合計した2000万円で判断するのはおかしくないのでは?というのがまず一つの疑問です。
普通にインデックス投資で元本1500万円が同じように2000万円まで増えた資産があるとした場合、一括売却して得た2000万円(元本1,500万円+運用益500万円)のうち、税金がかかるのは、譲渡益500万円です。
因みに、譲渡益500万円でも、税金は、✖️20.315%=1,015,750円で、全く同じになりました。
結局、税金優遇といってもそんなに大差はないのでは? というのも疑問の1つです。
受給タイミングを選べない?
受給タイミングは、60歳から75歳までの間で選べるということですが、「75歳までに老齢給付金の受給の請求を行わなかった場合はどうなりますか?」
という質問に対し
「加入者資格喪失後から75歳に達するまでの間に、老齢給付金の受給の請求を行わなかった場合、積み立てた年金資産(個人別管理資産)は自動的に現金化され、一時金として支給されます」
とありました。
経済状況によって、株価は変動します。だから、出口戦略では、利益が高い時に取り崩し、マイナスになっている時には取り崩さないというのが鉄則です。
いわゆる、4%ルールというものがあり、運用益が4%を維持させながら、取り崩していく方法です。そうしていけば、資産は長持ちするという法則です。
それなのに、iDeCoだと、上記のように、一時金として強制的に現金として支給されるとなると、株価が元本割れしてマイナスになっている時に、現金化してしまうと大損してしまうのです。
また、年金のように受給する方法でも、年1回〜年12回までありますが、これも4%ルールなしに、株価の上昇や下落に関係なく、定期的に支給されるため、株価が下がった時のタイミングに支給されると大損することは目に見えています。
結局、自分で受給できるタイミングを選べないというのが、一番怖いところで、二つ目の本当にお得なの? という疑問です。
税金優遇だけに囚われない柔軟な思考を。
所得税や住民税をなるべく減らしたい。
国民の義務を果たしつつ、正直なところ、誰もが思うことです。だから、どうしても、税金優遇に目がいきがちです。
でも、そこだけに囚われないで、メリット、デメリットを十分に検討して決めるのが大切です。そして、決めるポイントは、一番大切な部分は、将来、お金を受け取る場面です。
そこで、コストパフォーマンスが最大のものを選ぶこと。お金を受け取る時に、目減りしてしまっていたのでは、税金を優遇していても、本末転倒では? と思うのです。
iDeCoを勧めるFPもいるかもしれません。私の場合は、2つの疑念をお話しして、十分に検討してもらいたいと思っています。
iDeCoは、税金優遇だからいい。
ただ、それだけで選ぶのではなく、メリット、デメリットをきちんと把握し、疑問を持ったり、比較検討を十分にすることが大切です。
その結果、受け取る際に、自分にとって最もコストパフォーマンスが高いものを選べば、選んでも後悔はしないと思います。
コメント
おはようございます。
今はいつもより遅く7時前です。
” メリット、デメリットをきちんと把握し、疑問を持ったり、比較検討を十分にすることは大切です ”
正しく理解し、自分の考えで判断することだと私も思います。
私は会社員時代はDC、その後早期退職しIDECOとなり、60歳までは毎月積立ていました。今後は、国民年金任意加入制度を利用し、退職年数を増やして控除額をアップする予定です。
制度はその世代を反映して変わるので、その変化点を理解して適正な対応をとるつもりです。
尚、私のイメージですが、
節税は最大を目指せ。(実はほどほどでいいかなとも思っています)
株の買いは底値の2割アップ。売りは高値の1割減で十分。
と考えています。
誰も株の底値・高値は分からないので・・・。
カテゴリーがちょっとコーヒーブレイクですが、いろいろ真剣に調べてコメントを書きました。勉強になります。
次回投稿も楽しみにしています。
黄金期さんにように、「株の買いは底値の2割アップ。売りは高値の1割減で十分。」というように、ご自分のリスク許容度や
投資を進める、物差しをきちんと持っていれば、ブレることはないですね。
ただ、節税だからということに惑わされている方が多いような気がしています。
いざ受給となったときに、損をしないように、疑問点を投じてみました。
今回も、いいコメントありがとうございました(^^)/