「立つ鳥跡を濁さず」。決断した後は、抜かりのない段取りスケジュールが必要です。
早期退職の意向を伝える時期
早期退職をすると決断し、その意向をいつ伝えるかがまず最初のハードルでした。
ネットでいろいろ検索すると、「退職の意思表示のタイミングは、会社の就業規則により異なるので、自社規則を確認したうえで「退職日の1〜3カ月前」に伝えるのが一般的」とありました。私は、裁判所職員だったので、最高裁判所規則などを資料室で調べるなどしました。
意向を伝える時期で、私が重視したこと。それは、職場には迷惑がかからないようにすること。それが、私の最後の職場に対する奉公だと思っていました。
規則上は、「退職日の1〜3カ月前」でもいいのですが、私の場合は、もっと早い、7か月前の8月に決めていました。理由は、翌年の内部異動の人事案を8月ごろから決め始めるからです。
それは、課長職にあった頃に人事案作成を経験したからこそわかることでした。
内部異動の青写真が出来上がった頃に、早期退職を申し出られると、また異動案を最初から作り直さなければならなくなるわけです。だから、一番ベストなのは、8月に伝えること。と時期が決まりました。
言うタイミングを図っていましたが、面白いことに、タイミングよく、管理職会議で内部異動作成の話が出たので、そのまま、上司と二人っきりになって、早期退職の意向を伝えました。
伝えた時の気持ちは、何も怖いものはない、清々しさ。それに尽きます。
早期退職の理由
早期退職の理由も悩むところです。
正直に言えば、「もうここには生きがい、やりがいはない」「新しい人生を行きたい」です。
でも、それは、言えるわけがありません。また、言ってはいけないと思いました。
退職するには、一番大事なことは、円満退職すること。
だから、波風立てない退職の理由がいいわけです。本音で言い過ぎると、不快に思われたり、誤解を招くので、なるべく、一般的で、後味が悪くない理由を探しました。
これも、ネットで検索。
結婚、転職、親の介護が一般的とありました。
でも、結婚はなし。転職もなし。両親も高齢ではあるが、元気で介護でもない。病気とかマイナスな理由も嫌だし、どうしよう……嘘はつきたくない。そこで、悩んだ末、考え出した理由は、「高齢の両親が介護になる前に、いろいろ補助して親孝行してあげたい」でした。
「親孝行」というワードは日本人が好きで、美しい言葉。水戸黄門の印籠みたいに、効果は絶大。言ったときの感触は、好印象でしたね。
仕事の段取りスケジュール
引き継ぎ等はぬかりなく、最後まで、「美しく」をモットーに計画を立てました。
今まで定年退職をしていく先輩を見ましたが、仕事をたくさん残して、退職後に悪い話まで残していく人が結構多くいました。仕事を引き継いだ者は、退職おめでとうと言いながら、心の中ではきっと苦虫を噛んでいたのだと思います。
私は、絶対にそうはならない。「立つ鳥跡を濁さず」
自分の仕事を3月31日までにどのようにこなしていくか。スケジュールをきちんとたてました。引継書も8月から作成し始めたので、とても余裕でしたね。
また早くから退職する決断をして、早い8月の段階で意向を伝えたことが、慌てずにぬかりのないスケジュールを立て、ゆっくりと時間をかけて引継書を作成できることは大きな利点でした。
おかげで、1月ごろには、もうすでに引継書を完成していましたね(笑)
関係者への連絡
翌年4月の異動などの人事の話は、他の職場のことは知りませんが、私の職場では内示が出る翌年の2月までは口外してはいけないというガイドラインがありました。
そうすると、私の退職の話も、翌年の2月までは黙っていなければいけない……ということになります。
そうはいっても、異動の話は、どこからともなく漏れるもので、だから、仲のいい人、影響を受ける部下には、外部から話が耳に入る前にきちんと辞めることを直接話しておこうと思っていました。それが、誠意だと思っていました。
自分だったら、直接本人の口から聞かずに外部から知ったことの悲しさを考えると、絶対にそうしたいって思っていました。
だから、私は、大切な人に限って12月の段階で伝えました。
また、私は職業柄多くの弁護士の方と事件を共有しているので、弁護士の方には辞める日の一週間前くらいには伝えました。いつも、退職してしまって、弁護士の方が驚くというパターンを良く見ていたので、自分は、そうしたくないと思っていたからです。
異動等、外部の方に言う必要はないのですが、これも誠意だと思いました。
住民税、健康保険料の準備
住民税は前年の所得額に応じて課税されるため、高収入だった人ほどその金額に驚くと聞いていたので、給与所得のおおむね10%程度を住民税として、毎月の給料から取り置きました。
そうすと、預貯金を取り崩すということはなく、精神的にプラスです。
健康保険料も、退職した後働かなくても、退職時の報酬標準月額を基準に定め、また、事業所と半分支払いだったのが、全額支払いに変わるため、大きな負担となるとのことでした。
そこで、そのお金も準備しておくことにしました。
ちなみに、私は、裁判所の共済保険を1年間延長しました。標準報酬月額の上限が30万円なので、お得だったからです。
心の持ち方
退職の意向を伝えてからは、毎日が清々しく、1日、1日、過ぎていくのがとても嬉しくて、後悔は全くありませんでした。
そして、1日、1日を最後の日だと思って仕事をしました。
確かに、厳密にいえば、同じ日はもうないのですが、特に、来年退職したら、働きなれたこの場所にはもういないわけです。
そう考えると、1日、1日がとても大切な1日に思えたのです。
憧れの退職の日に向けて、1日、1日、自分がすべきことをたんたんと着実にこなしていくあの心持ちは、とても充実感がありました。
まとめ
辞めると決めたら、すぐに、段取りスケジュールをたて、日々すべきことをたんたんとこなすこと。
「立つ鳥跡を濁さず」は大切です。
そして、住民税、健康保険料など、退職後に支払う予定のお金を準備しておくことも大切です。
早期退職を経験して思うのは、早期退職には、入念な計画と準備が必要だということです。
コメント
ゆさっぱさん、おはようございます。
早期退職しようか迷っている方へ シリーズを読んで私もその当時の事を思い出します。
退職時、会社に迷惑をかけれないと思い、会社の規定より早く退職を伝えたのですが、会社側の対応が遅く、上手く引継ぎができず、有休期間にも会社に出ることになってしまいました。
引継ぎを受ける人に責任はないので、丁寧に説明はしたのですが・・・。
ある人のブログに
このままだと「早期退職で快適人生」のはずが「早期退職したけれど…」となって終わってしまいそうです。と書かれてあり、
自分は大丈夫だろうかと不安になってしまいました。
庭造り・DIYもいつまでも無いし、旅行も1年中行けないし・・・。
都会であればいろんな事ができると思うのですが、田舎では野菜作り・ガーデニング位かな・・・この冬考えてみます。
黄金期さん、こんにちは。
退職時、自分の都合よくいかないこともあるのですよね。でも、十分にご準備されて今、早期退職され、ご家族と共に
第2の人生を満喫されているのではないかと思います。
黄金期さんのブログを見ていて、それが伝わってきますよ。
楽しみはいろいろなことに興味をもってやっていくうちに自然と見つかるので、心配しなくても大丈夫だと思います。
現に、私も、あれこれやっていくうちに、いろいろな出会いで、見つかっています。
最近は、友人から英語がゲームのように学べるアプリを教えてもらったきっかけで、英語の勉強を始めました。
ゲーム好きな私にはぴったりの勉強法です。
良い、お年をお迎えください\(^^)