私が早期退職を考えるようになったのは、54歳でした。そのきっかけは、仕事に生きがい、やりがいが見出せなくなったからでした。
何のために働くのか。
まず、「何のために働くのか」ということです。
生きるため、お金のために働いているのはもちろんです。
でも、社会的動物である人間にとって、働く意義は、生きがい、やりがいのためでもあると言われています。お金のためだけでは、モチベーションは長く維持できないと思うのです。
生きがい、やりがいとは、誰かに感謝されたり、評価し、認められること。誰かの役にたっていると思えること。ものづくりが仕事なら、ものを完成させること。いろいろあると思います。
私は、約30年、裁判所書記官として働いていました。裁判所はどうしても裁判する怖いところ、法律用語が難しいというイメージがあるようです。だから、利用者の方には、利用しやすいようにわかりやすい表現を心がけたり、利用者の相談に丁寧に答え、心に寄り添うように務めてきました。
法学部だった私は、採用された当時は、生きた法律を学べる所で働けるだけで生きがいでした。
そして数年経った頃は、利用者から感謝の言葉をいただいたり、頑張った自分を上司から認めてもらうことがなによりのやりがい、生きがいに変わっていきました。
ところが、あることをきっかけに、「何のために働いているのか」という疑問を持つようになりました。
私が54歳、庶務課長になり、数名の部下を持ち、やりがいに満ちていた頃です。当時の上司が、言った言葉に愕然としました。
「あなたは、何も書くことがない」
つまり、評価書に書くほどの突出したことがないので、Aランクにはできないから、普通のBになったと言われたというわけです。
私の場合は、部下に対して、突出して何かをなさなくても、地道に頑張っていることに対してはちゃんと労(ねぎら)いの言葉をかけ、ちゃんと評価している旨伝えていました。それなのに、支部で働いている私の働きぶりを実際に見ていない上司が、電話で言った言葉には、情けなくさえ思えました。
もちろん、褒められるために仕事をしているのではありません。でも、人員削減や残業制限のため、当時の私は、休暇も部下職員優先で、身を粉にして一生懸命に働いていました。
ただ、頑張ってるねと言ってくれるだけで良かったのです。
それどころか、上司に取り入るのが上手い人が出世する世界であることも見せつけられました。
十分に休暇も取れずに、好きな旅行も行けず、自分の人生を犠牲にしてまで、いったい、自分は「何のために働いているのか」
この頃から、真剣に考えるようになりました。
残り時間の大切さ
自分の残り時間を計算してみてください。
まだたくさんあるとみるか、短いとみるか。
一日24時間、8時間は睡眠。残り、16時間中、仕事8時間(ただし、残業しない場合)。残り8時間は、食事や風呂、通勤時間に削られ、自分の時間は、正味4時間しかありません。平日は、身体共に疲れてへとへとで、テレビやYouTubeをだらだらと見て、無駄な時間を過ごしていました。
60歳に定年して(定年延長前)、睡眠時間8時間引いた残り16時間、まるまる使えるとしても、100歳まで生きた場合、60歳から40年✖️365日✖️16時間=233,600時間
私は、少ない!と思いました。時間は無尽蔵、永遠ではないのです。
また、この時間は10代からの40年とは、同じ価値ではないと思います。体力、活力、気力……全てにおいてパフォーマンスが落ちるのは当然のことだからです。
はたして、60歳に定年してから何かやろうと思っても気力、体力は維持されているのだろうか?
早ければ早いうちに、やりたいことをしたい!
と思うようになりました。
本気度を確かめる。
「自分は何のために働いているのか」「残り時間の大切さ」の2点を考えるようになって、わかったこと。
それは、辞めることへの自分の本気度です。
つまり、単なる一過性のものではないということ。
若い頃も、イヤなことがあると辞めたいと思ったことはありました。でも、それは、一過性のもので、楽しいことがあると、すぐに忘れてしまうものでした。
55歳、56歳と歳を重ねていくにしたがって、職場では、人員削減や働き方改革などで、中間管理職の厳しさは増し、休暇も思うように取れず、心身共に疲弊する中、「辞めたい」から「辞める」へと決意を固めたのです。
コメント
ゆさっぽさん、おはようございます。
いつも読みやすく、そして、何を言いたいのかが分かる文章で感心します。
文章を書いた後に、見直し等を行っているんですか?。
私は文章を書く前に、頭で考えて、そして書いた後に見直し、そして確認見直しの繰り返しであの文章です。
文章を書くポイント等があれば教えてください。
今回のブロクですが、私はお金かな・・・・。
老後にお金で苦労したくないし、お金が無くてやりたい事が出来ないのは嫌なので。
年金ネットを利用し早期退職時の年金額と自分の金融資産を、しっかり把握しました。
お金だけを考えれば、もう少し早く退職出来ましたが、妻が働いている中での早期退職は出来なかったですね。
妻は1歳年上なので、妻の退職に合わせて早期退職。
そして、セカンドライフを楽しんでいます。
但し、困ったことが・・・・・。
今までは庭造り、カーポートDIY等があり楽しんでいたのですが、それも目途がつき来年からは何をしようかと悩んでします。
黄金期さん、こんにちは。
黄金期さんのブログもセカンドライフを楽しんでいる様子がありありと伝わり、いい文章だと思いますよ😄
私もいい文章の書き方を勉強しているうちに、自然と身についたという感じです。
お互いセカンドライフを楽しみましょう!
コメントありがとうございました\(^^)